本日二日目の出勤が終了。
三十路黒服物語の主人公、うつぼです。

いきなり賄いで驚いたうつぼ。
仕事に入る。

「うつぼさん、まずバイトは洗い場に入ってもらって様子を見ます。
　うちの洗い場は大変なので、ある程度仕事を見させてもらって、その後ホールです。」

ふむ、どうやらホールは社員がメインで、アルバイトはなかなか出さないらしい。
そして洗い場でへこたれてバイトが続かないとの事。
まぁ体調もあるし、洗い場で願ったりかなったり。

キャパは１００ぐらい、女の子は待機含め３０人ほど。
う〜ん、正直余裕だろうな、前のバイトのみなさんには悪いが。
なんせグラス洗い、磨きあげはおれの本職。
千手観音と言われた技を見せずにはいられまい。笑。

洗い場は小さな厨房に。
そして厨房にはおばはんが一人。

「あら、頼りない人が入って来たわねぇ、洗い方わかる？
　グラスわらないでね。」

絡むと面倒なので１００万ドルの笑顔だけ作るうつぼ。笑。

「もしグラスを全部綺麗に拭きあげて時間があったら自由にたばこ吸って座っていいわよ、
　まぁ忙しいから無理だとは思うけど。私フォローするわ。」

実際たばこを１０本吸って午後ティーを一本飲み終えてしまったが、楽過ぎて。笑。

おばはんはどうやら仕事がわかる人らしく、おれの仕事に大満足。
途中でアイスをくれ、コーヒーをいれてくれ、お菓子をくれ、
助かるなぁの連続。

おばはん、目の下のクマがすごくて、
野球のデーゲームでの野手みたいやぞっ！

とは口にださず、大サービス。

「○○さん、グラスは全部おれ一人でできます。いままでよっぽどひどいバイトだったんすね、
　ご苦労様です。これからはおれがいるんで、楽して下さいね。」

そう言い、キッチンの仕事も軽く手伝う。
おばはん感激。おれを気に入ってもらったのは嬉しいが、
よく喋る。おれは喋りながらの仕事が出来るが、おばはん手が止まってるでおい。笑。

そんなわけで天国に近いとても楽なバイトの出来上がり。
ずっと洗い場やろっかな。笑。

だが最後に事件。
とても偉い人が厨房に来ると、おばはんとはラフに話す間柄。

新人どうだ？の声におばはんが、

「この方仕事は早いしよく気付く、頭もいい。
　私が近く異動になってもうつぼさんならキッチンと洗い場を一人でこなせると思うわ。」

ええー！！！

しまった、いい環境を作ろうとしてやり過ぎたか。

これどうなるんだおい。