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お酒と畑と本があればいい、そんな人生のほほん日記。
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雨の「モエ・エ・シャンドン」(シャンパン)
朝から晴れて夏日和だった今日も、
本を一冊読んで気付くといつの間にやら雨が。 雨といったら徳永英明「レイニーブルー」。 って言っちゃうおれはがっちり30代。笑。 ついてこいよ20代、おい。苦笑。 いまの子達は雨と言ったらなんの歌だろうね。 雨で思い出すのは昔一人でやっていた東京のバー。 ちいさい店で、ターミナルになる駅が近いので雨が降ると客足は鈍った。 急な雨だとまた違うが、朝から本降りだと、氷を作りグラスを磨くのが一日の仕事。 朝から雨のある日、おれが諦め顔で丸氷を作っていると入って来たのは若い女性。 手に傘はないが、ずぶぬれではないところを見ると職場は近く。 バックは高価だが服にはそこまで、だが自分に似合う服と色のセンスだ。 化粧もフルメイクではなく、足下もシンプル。 デートではなく仕事帰りと見てほぼ間違えないだろう。 足取りを見るとバーになれ、お酒になれてるように見える。 タオルとメニューを持って行き、流儀ではないがおれには珍しく飲むものをすすめてみる。 「よろしければシャンパンが程よく冷えてますが。」 彼女は一言、 「お願いします。」 バーテンみょうりにつきる。 余計な言葉もなく、丁度それが飲みたかったという顔をしてくれる。 通常、バーでグラスのシャンパンを頼むと割高になる。シャンパンカクテルもしかり。 シャンパンは開けてしまうとそれほどはもたないもので、 どんな高級なシャンパンも気が抜けてしまえば飲むにあたいしない。 バーでグラスのシャンパンを頼む時は一本分払うつもりで頼んで欲しい。 そこでよく聞くのが、一杯いくら?銘柄は?と言う言葉。 もちろん間違ってはいないし、銘柄に関しては聞かないと後で大変な目になる。 だがその女性は余計な台詞は言わなかった。 お願いします、には、お任せします、も入っている。 嬉しい注文の仕方だ。 銘柄もなにも店にあるのは一種類のみ。それが、 「モエ・エ・シャンドン」 最大手でありドン・ペリニヨンも擁するモエ・エ・シャンドン社のシャンパン、 正式には「モエ・エ・シャンドン・ブリュット・アンペリアル」 静かに栓を抜き、静かにグラスに注いでいく。 このとき、一口目で女性のあごが5度から10度あがるように計算して注ぐ量を決める。 飲む女性のお客様をきれいに見せるのもバーテンの仕事の一つ。 「モエ・エ・シャンドンでございます。」 「ありがとう。」 シンプルだ。とても幸せな気持ちになる。 店内は静かにジャズ、外は雨、シャンパンと女性。 あれほど優雅にシャンパンを飲む女性は後にも先にも居なかった・・・。 PR コメントを投稿する
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最新TB
プロフィール
HN:
うつぼ
年齢:
48
性別:
男性
誕生日:
1977/02/13
職業:
元バーテン今フーテン
趣味:
お酒
自己紹介:
時の流れは早く、もう30なのだけれど。
おいしいお酒が飲みたいほんとは31才。 ブログ内検索
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